
人類と機械の戦いという設定でジョン・コナーとターミネーターの追っかけを繰り広げてきたシリーズも、4作目に至って己のアイデンティティーについて苦悩する機械と人間のハイブリットがメインにという新展開。
今日的な問題を巧みに配し物語も流れによどみない。スカイネットの大規模な人間狩りで人が集められる場面などナチスの収容所に送り込まれたユダヤ人のようで、スカイネットの悪辣振りにも拍車がかかる一方、サム・ワーシントンが憂いとタフネスの垂れ流しでハイブリッドのマーカスを好演し、見せ場の数でも格好良さでもジョン・コナーを圧倒する大活躍だったのには驚いた。
クリスチャン・ベール的にはこの脚本で良く契約したもんだと思わせるほどだが、きっと5作目で盛り返せるということなのであろうか。マーカスをサポートする女優さんもかっこ良かった。
終末感溢れる荒涼とした風景にスカイネットのメカが人間めがけて襲いかかるアクションシーンなど、ビジュアルも文句のつけ様がない見事なもの。「スタートレック」でも感じたが、CG工房数ある中、やはりILM社の仕事はイメージの豊かさ処理の鮮やかさで他社を引き離している。ILMの絵にはひと味違うコクとうま味が詰まっている。人間と機械の違いを情と心臓だとまとめたエンディングにも納得。とても面白い。
原題:Terminator Salvation
監督:マックG
製作:モリッツ・ボーマン、ジェフリー・シルバー、ビクター・キュービセック、デレック・アンダーソン
製作総指揮:マリオ・カサール、アンドリュー・G・バイナ、ピーター・D・グラベス、ダン・リン、ジーン・オールグッド、ジョエル・B・マイケルズ
脚本:ジョン・ブランカート、マイケル・フェリス
撮影:シェーン・ハールバット
美術:マーティン・レイング
編集:コンラッド・バフ
音楽:ダニー・エルフマン
出演:クリスチャン・ベール、サム・ワーシントン、アントン・イェルチン、ムーン・ブラッドグッド、ブライス・ダラス・ハワード、コモン、ジェーン・アレクサンダー、ヘレナ・ボナム・カーター
製作国:2009年アメリカ映画
上映時間:1時間54分
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント