金城武が雪の中で泣いたり走ったりするウエットな予告編を何度も見せられたが興味の他。今回時間の都合から他の選択肢が 無く、つい見たのだったが、いや、実にどーも。金城君には申し訳ないが、こんなダイナミックなミュージカルシーンが炸裂する面白作品だったとは思っても見なかった。
北京で将来の映画監督と歌手を夢見る恋人同士。苦学をしながら愛を育むが辛い別れも待っていた。十年後、映画俳優となった二人はミュージカル映画の共演者として上海の撮影所に再会するが。
映画の撮影に重ねて過去と現在がフラッシュバックし、愛の行方が定められる映画内映画。これをミュージカルでやるもんだから。始めは大いにとまどう。中国語のミュージカルナンバーは、聞いてて何だか落ち着きが悪いのだ。これって差別意識、というより単に聞き慣れない故の違和感。
ダンス・ナンバーがかっこいい。カットの刻みすぎと決めのポーズの多用って編集テクニックで逃げてるきらいはあるが、曲そのもの、踊りそのものに高揚感があってとても気持ちいいのだ。中国語のミュージカルナンバーも慣れてしまえば自然に入ってくる。
理想と現実の狭間で流されていく愛の行方、それ自体に新味はないが描き方には隙が無い。三角関係の一角を占めるジャッキー・チュンの素晴らしいボーカルには痺れたし、クライマックスを盛り上げる空中ブランコシーンの格好良さには映画の醍醐味が溢れている。金城武の甘いマスクも効果的だったし、女優さんも良かった。キャスティングのバランスもストーリー展開も落ちも文句ない。
原題も邦題も口にするにはちょいと恥ずかしいが、良いもん見せて貰った。「オペラ座の怪人」などよりはるかに洗練された演出で見せる面白作品。
[題]PERHAPS LOVE 如果・愛
[監][製]ピーター・チャン
[総]ルイス・ペイジほか
[製]アンドレ・モーガンほか
[脚]オウブレイ・ラムほか
[撮]ピーター・パウ
[出]金城武 ジョウ・シュン ジャッキー・チュン チ・ジニ