2007/02/04

墨攻


紀元前中国、春秋戦国時代。燕の国に攻め入ろうとする鞘は、要衝の地にある梁城を包囲する。10万の大軍の前に僅か4千人の梁城は陥落必至と思われたが、専守防衛をモットーとする墨家の機略により難攻不落の要塞と化していく。

墨家の男を、ストイックに演ずる好漢アンディ・ラウが格好いい。キャラクターの良さは当然だが、ポンチョ、マント、ブーツ、頭巾などの衣装デザイ ンが実にオシャレで、ビジュアルが魅力的なのである。もちろんアンディ・ラウだけが良いというような安い作りではなく、全体の衣装が素晴らしく、その中で のバランスとコントラストで、墨家という主人公の特殊性を渋い派手さで自然に際立たせているところが憎いのである。

ろくでもない梁城の王や側近など、守るに値しないような存在を守らせるという設定がこの作品のテーマを良く伝え、スパイシーな展開は作品に深みを与えている。

10万の大軍を率いる敵将の清廉高潔な人柄を人間味溢れる風格で見せたアン・ソンギの堂々たる存在感。ビジュアルとしてもアン・ソンギ演ずる将軍の立ち姿の風格、格好良さはアンディ・ラウに勝るとも劣らないのだった。アン・ソンギ、最高。

原作の漫画も、平和、博愛主義で、攻めずに守り抜くという墨家の思想も全然知らなかったので、とても新鮮だったが、それをここ迄面白くして見せた監督の力は素晴らしい。衣装も音楽も撮影も役者もレベルの高さで作品を盛り上げた。

思っていたより数段、というか、優れた作品だった。

英題:A BATTLE OF WITS
監督:脚本:プロデューサー:ジェイコブ・チャン
原作:森秀樹
撮影:阪本善尚
音楽:川井憲次
編集:エリック・コン
出演:アンディ・ラウ、アン・ソンギ、ワン・チーウェン、ファン・ビンビン
2006年 中国/日本/香港/韓国
上映時間: 2時間13分