
上映時刻には1時間以上あったのに希望の席は取れなかった。公開から1週間後の金曜日、レイトショーの客席は6割方埋まっている。大ヒットシリーズの完結編は流石の動員力だ。予告編もダイハード4.0、トランスフォーマー、ライラの冒険、アポカリプト、ハリーポッターのニューバージョンと豪勢なラインナップで気分を煽ってくれる。やー、週末の解放感に楽しさも増幅され、期待も膨らむ完結編のはじまりだったのに。
東インド会社の暴虐に、伝説の海賊の集結以外に道はなく、ジャック・スパロウの救出こそが急務となった海賊達という滑り出し。エリザベスのシンガポール潜入から世界の果てへと観ているうちに、いつの間にか寝てしまった。歳のせいとも1週間の仕事の疲れとも言い訳は何ともできるが、ここで寝てしまうのは我ながら情けない。
しかし、映画を観ながら寝てしまうのは気持がいいのだ。特に、今回のようにいつ寝てしまったか分からないのが一番いい。それはともかく、気がついた時には話が相当飛んでしまっていてた。だからといって特に困ることもなくお話についていけるのがこの手の映画のいいところでもあるんだけど。
寝ていた立場から言えば、騒々しかったこと。主要なキャラが多すぎてお互いつぶし合っていること。悪党も多いし、コメディーリリーフも多すぎる。結果的に、ジョニー・デップが出てくると画面が退屈になってしまったのは、全てをもりこみ、全てを派手に絵造りした、総花的な脚本、演出の弊害というか計算違いではないか。
舞台がワールド・エンドということなので仕方ないのだが、陰鬱な世界に終始し、突き抜ける青空と紺碧の海に輝く緑の島々という、海賊映画ならではのカリビアンな光景が封印され、明るさは陰鬱さに、解放感は閉塞感へと置き換えられたのは残念。エンディングもロマンティックだとは思うが、シリーズ全体のトーンからすれば重すぎる。爽快感の不足が惜しまれる完結編。全部観てないけど。
原題:Pirates of the Caribbean: At World's End
監督:ゴア・バービンスキー
脚本:テッド・エリオット、テリー・ロッシオ
製作:ジェリー・ブラッカイマー
撮影:ダリウス・ウォルスキー
音楽:ハンス・ジマー
出演:ジョニー・デップ、オーランド・ブルーム、キーラ・ナイトレイ、チョウ・ユンファ、ジェフリー・ラッシュ、ビル・ナイ
アメリカ映画 /2時間50分
配給:ブエナビスタ