2008/12/03

表裏源内蛙合戦



平賀源内の出産シーンから説き起こす一代記。類いまれな神童と謳われた少年期から才気煥発にして野心満々の青年へと成長を遂げるものの、やがては江戸市中で山師と呼ばわった奇人平賀源内の肖像。

素早い場面転換で矢継ぎ早に繰り出されるエピソードがテンポ良く積み重ねられる。膨大な台詞と多彩な動きに、溌剌として活力漲ったステージ。上演4時間に及ぼうかという長丁場を決してダレず飽きさせず疾走しきった出演者たちに拍手。

井上ひさしが人間の猥雑さを通して「源内」とその時代を語れば、蜷川は鏡を大胆に配置し観客の猥雑さを取り込んで今の時代を描き出す。前回「道元の冒険」とは感動の趣は大きく異なるが、楽しく面白く、刺激に満ちたステージ。

表の上川隆也も裏の勝村政信も良かった。他の出演者達もレベルが高く台詞、歌、切れのある動きは気持ち良く、脇を固める女性陣の健闘も印象的。
後半は尻が痛くなって再三座り直したりし、連日の公演を続ける出演者達の疲労はいかばかりかと思うが、公演も終盤に入って疲れの微塵も感じられないステージを続けている役者魂にも脱帽。

2F−M27
シアターコクーン
作   井上ひさし
演 出 蜷川幸雄
音 楽 朝比奈尚行
出 演 上川隆也、勝村政信、高岡早紀、豊原功補、篠原ともえ、
    高橋努、大石継太、立石凉子、六平直政 他