バウムクーヘンの断面を塗り分けたような、層の厚みとともに記号化された事象。戦闘的、挑発的、スキャンダラスなフンデルトヴァッサーの作品から、版画とドローイングを中心にした展示。
メタルカラーや対立的な配色、奔放な色使いなどのヤバい要素がよくコントロールされ、魅力的な画面になっている。発色の鮮やかさとデザイン的な面白さで見せる版画が特に素晴らしい。
浮世絵の彫りと刷りの技術の素晴らしさを改めて教えてくれる木版のシリーズと、雨をめぐる叙情的なストーリーを大胆なイメージで展開した孔版の連作はこの展示の白眉だった。
会場の日本橋三越は日本の百貨店文化の頂点に君臨している店だ。展示会場の外側の壁に「自然に優しく」をテーマに募集された小学生の絵がびっしり 貼り出されてされていたが、これも主催者側のエクスキューズに思えてしまうくらい、この風格ある老舗とフンデルトヴァッサーの組み合わせにはミスマッチ感 が強い。
そんなことも全部ひっくるめて、刺激的で面白い展示だった。休日の昼時、混雑もなく、いい感じで観る事ができた。3/3