2007/03/25

デジャヴ

トニー・スコットは、スカしたカメラワークで見せる歯切れよい語り口が身上の職人監督だ。タイトなアクションで攻めきるスタイルは、大作主義のお兄ちゃんとは対照的だが、細部の甘さと安定感は兄弟共通。常連デンゼル・ワシントンとは息もピッタリ。

で、今回はいきなり大規模テロ事件勃発。ATF(アルコール・タバコ・火器局)捜査官デンゼル・ワシントンにFBIバル・キルマーが絡んで摩擦、陰謀に難渋する展開と思いきや、やはり、そういう月並みはトニー・スコットじゃない。

そう、いつだって、ファッショナブルなハイセンス好みの弟だから、もっとスマートでクールな絵造りになって当然。ところが起承を受けた転のトンデモ振りと 結の大バカ振りは、こちらの凡庸な脳みそを軽ーく一蹴するスケールの大暴走。ソッそーなの。いや、確かに、そーゆー映画もありますよ。ジャンルも形成してます。この展開、全然問題ないすよ。

なにより面白いんだこれが。先は読めないし、ドキドキさせるし。流石トニー・スコット。ブラッカイマー印を忘れてた訳ではないけど、この二人をデンゼル・ ワシントンの良識が二人を抑制するってな感じを抱いてたこちらがバカだった。製作監督主演、喰えないトリオが大真面目に挑んだ大バカ映画は要所要 所訳分かんないが、エンディングのカタルシスも充分だし、後味もよろしい。誠に結構なお手前、堪能致しました。

原題:Deja Vu
監督:トニー・スコット
製作:ジェリー・ブラッカイマー
脚本:ビル・マーシリイ、テリー・ロッシオ
撮影:ポール・キャメロン
音楽:ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ
出演:デンゼル・ワシントン、バル・キルマー、ジム・カビーゼル、ポーラ・パットン、ブルース・グリーンウッド