2008/06/03

ナルニア/第2章:カスピアン王子の角笛

下校する長女の背後にロンドンの町並み。落ち着きのある街路、行き交う人々と往時の車。丁寧に再現された街に生き生きとした息吹が通う素晴らしいシーンだ。このシーンが無くても物語に何の影響もないが、こうした細部へのこだわりが世界に一層豊かな彩りを添え、作品の足腰を強くする。ああいいなぁ、このシーン。後は安心してシートにおさまっていよう。もちろん手ひどくしっぺ返しされることだってないわけじゃないけど。

ナルニアの民は侵略者の支配から逃れ、深い森の奥に忘れ去られていた。侵略者達は王位継承問題に揺れていた。見る影も無く変わり果てたナルニアに戻った4人兄弟は、昔日の面影を取り戻そうと立ち上がる。

1作目より4人が大人っぽくなった分だけ、作品も力強さが増している。長男と長女は始めのうちはパッとしなかったが、戦いを重ねるにつれどんどん魅力をましてかっこよくなっていく。次女も大きくなったがピュアさは維持している。次男も合わせ4人の成長ぶりが素敵だ。美形のカスピアン王子だが、程よいボケ具合が却って育ちの良い王子様を感じさせて、コメディーリリーフとは言えないが、4人兄弟とのバランスもよかった。

適度なアクションと見せ場を要所に配し、展開も語り口のテンポも良い。眠気を催すこともなく、2時間半という長さを感じないまま、面白く観ることが出来た。大人になって行くことの誇りと寂しさを漂わせるエンディンのほろ苦さには胸もキュンとなり、終始一貫気持ちよく楽しんだ。

原題:The Chronicles of Narnia: Prince Caspian
監督:アンドリュー・アダムソン
脚本: アンドリュー・アダムソン、クリストファー・マルクス、スティーブン・マクフィーリー
製作:アンドリュー・アダムソン、マーク・ジョンソン、フィリップ・ステュアー
原作: C・S・ルイス
撮影:カール・ウォルター・リンデンローブ
音楽:ハリー・グレッグソン、ウィリアムズ
出演:ベン・バーンズ、ウィリアム・モーズリー、アナ・ポップルウェル、スキャンダー・ケインズ、
時間: 2時間25分
配給:ディズニー
2008年アメリカ