一、新薄雪物語(しんうすゆきものがたり)
序幕 新清水花見の場 二幕目 幸崎邸詮議の場
三幕目 園部邸広間の場 同 奥書院合腹の場
花見の華やかさに恋の花開き、悪党は罠を仕掛ける。序幕の前半は福助が艶やかさで客席を魅了し、後半は染五郎の大立ち回りがめっぽう楽しい。二幕目は雰囲気一転して吉右衛門、幸四郎、富十郎が大人のやり取り。三幕目はさらに重苦しく、幕開けから三段逆スライド方式で失われた華やかさに反比例する重厚なドラマ展開。親の情と男の信義の二律背反。辛さ苦しさを絞り出すような笑いに変える芝翫、吉右衛門、幸四郎の大芝居。明日も元気に行かなきゃと、こちらもグッときてしまった。
二、俄獅子(にわかじし)
粋を極めた福助&染五郎の舞踊。6月は昼夜通してこの二人がとにかく素晴らしい。染五郎は著しく柄の違うキャラクターを見事に演じ分けて格好良い。このところ初役の大役が続いた福助は風格も増して、その一挙手一投足には観客を惹き付けてやまない輝きに満ちている。
初めて歌舞伎を見たのがちょうど1年前。それが思いもよらぬ楽しさで、こんな面白いもんをこの歳まで知らずに来たことを後悔しつつ、以来歌舞伎座通いを続けている。一度は愚息達に見せたいと常々思っていたが、今回愚息2号の帰省を機に、家族+義理の母と昼の部を見に行った。花道横の12列目でそれぞれウトウトしたり爆睡したりと様々だったが、歌舞伎らしいビジュアルに面白さがギュッと詰まった濃厚な味わいの新薄雪物語、とても楽しかった。
6.15 1Fー12-6