2008/11/14

11月吉例顔見世大歌舞伎 昼の部

一、通し狂言 盟三五大切(かみかけてさんごたいせつ)
   仁左衛門  時蔵  歌昇  菊五郎

男(仁左衛門)が芸者(時蔵)に入れ揚げるが、芸者には間夫(菊五郎)がいて結局身上をつぶしてしまう。騙されたと知った男は逆上し、無益な殺生を重ねた挙げ句に芸者の首を刎ねる。しかし男には本懐を遂げるべき大仕事が控えていた。というような話は鶴屋南北の作というだけあって四谷怪談に通ずる陰々滅々さが特徴的。
仁左衛門は愚かさと悲哀に至る役柄だが、どうも渋くてカッコ良すぎるきらいがある。芸者の時蔵にしてからが、仇な姿の良さはあるものの、ときめきに欠けて大したファムファタールに見えないから、仁左衛門の惚れた腫れたに今ひとつ説得力がない。菊五郎も粋と軽さがいい感じなのに、なにか全体にさっぱりしないくて、つい何度もうとうと居眠りしてしまった。

二、廓文章(くるわぶんしょう)吉田屋
   藤十郎  魁春  亀鶴  秀太郎  

これも一に同じく花魁に入れ揚げた男の話だが、同じ境遇とは思えぬ正反対の明るいキャラクター。これを藤十郎が性別、年齢など超越した境地で軽妙洒脱、愛嬌たっぷりに演じてとても楽しい。藤十郎凄いのである。