2006/07/02

インサイドマン

スパイク・リーが豪華キャストで演出した犯罪映画。期待するなってのは無理ってもんだ。当然見るっきゃない。

マンハッタンに白昼堂々の銀行強盗。人質を盾に隙を見せない犯人。翻弄される捜査陣。後手に回る人質救出。政治的な圧力に混迷を深める中、意表を突く動きで状況を支配し続ける犯人達。

ニューヨーク市警のやり手警部デンゼル・ワシントン。完全犯罪を目論むクライブ・オーウェン。政治的な介入を図る弁護士ジョディ・フォスター。曰くありげな頭取クリストファー・プラマー。SWAT隊長ウィレム・デフォー

役者達は自分のやるべきこと充分わきまえ、余裕と貫禄で演じている。中でもクリストファー・プラマーとジョディ・フォスターは、予定調和的だが、だとしても見事な演技合戦だ。

デンゼル・ワシントンはことさらマッチョなキャラクターを演じている。リーの作品だし、伸び伸びと楽しそうで手応えも伝わってくるが、これだけキャリアを積み上げ、大物感を増した今となっては、このマッチョ振りは演じ過ぎでちょっと痛かった。

脚本は良く練り上げられている。演出も緻密で、先の読めない展開にハラハラ、ドキドキは必要充分。謎もサプライズもしっかり用意されている。観客をハイレベルなもてなしを約束してくれる映画だ。面白いし楽しめる。

しかし、核に据えられた罪と罰、理屈としては分かるが今日性に欠けている。なんつーか、この作品の緻密さとは、結局机上で、頭の中で捏ね上げられただけのものと、一瞬に明らかにされたような気分にさせられた。こういうサプライズは困る。

原題:Inside Man
監督:スパイク・リー
脚本:ラッセル・ジェウィルス
製作:ブライアン・グレイザー
撮影:マシュー・リバティック
音楽:テレンス・ブランチャード
2006年アメリカ映画/2時間8分
配給:UIP