2006/07/25

パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト


青い空。紺碧の海。緑のジャングル。
夏休み気分をいっそう盛り上げる美しい風景の中、根性真黒な人間達のエゴと欲望に魔物は目覚めカリブは泡立つ。

なじみのキャラに会えるのは続編ならではの楽しさ。オーランド・ブルームに加わった落ち着きが印象的。
ジョニー・デップのジャック・スパロウ。C調で無責任で露悪的で自己中で助平でいつもふざけていているけど、頼りがいがあって愛嬌があって男気がある人気者。前作ではアカデミー賞にノミネートされた当たり役。ジョニー・デップのキャリアから見れば異色過ぎるキャラだし、海洋冒険活劇映画史上から見ても画期的な変態を、今回はさらなる余裕と貫禄で演じ、完璧に一体化しているように見える。

伸び伸びと楽しげなジョニー・デップが発散するオーラが、画面全体に活力と品位を与えているのは確かで、船長が受け持つコメディー要素の増量、加速感も面白さに拍車をかけている。

デップの怪演と並ぶ、この映画の魅力は、爽快感溢れる海洋シーンと、おぞましくも魅力あるクリーチャー達のCG映像だ。最近ではCGの凄さに驚くこともなくなったが、この作品のキャラクターデザインとCGには、「カーズ」に続いてゾクゾクした。
例えば、デイビー・ジョーンズの生な質感と足毛のデリケートな動き。クラーケンのダイナミックな攻撃力には「海底2万マイル」の伝統も脈打っている。

流石、ILM。新たなVFX工房が続々と名乗りを上げる中、いつしか以前ほどの存在感を示すこともなくなったと思っていたが、老舗の実力というべきか、カリブの海を舞台に、イマジネーションの豊かさ、表現技術の高さを存分に見せつけた映像がとことん素晴らしい。150分の長尺をダレずに見せ切る、タフで、ゴージャスにグラマラスな快作。物語は150%スケールアップ、映像は200%ボリュームアップ(前作比)した欣喜雀躍の面白さ。

が、ストーリーもキャラ造形も、よくぞここまでパクッタなと言うくらいスター・ウォーズ「帝国の逆襲」をきっちりトレースしている。当然、3作目はルーカス対ブラッカイマーの訴訟付き「ジェダイの逆襲」?? 


原題:Pirates of the Caribbean: Dead Man's Chest
監督:ゴア・バービンスキー
脚本:テッド・エリオット、テリー・ロッシオ
製作:ジェリー・ブラッカイマー
撮影:ダリウス・ウォルスキー
音楽:ハンス・ジマー
出演:ジョニー・デップ、オーランド・ブルーム、キーラ・ナイトレイ、ビル・ナイ
2006年アメリカ映画/2時間30分
配給:ブエナビスタ