聖観音菩薩立像、日光菩薩、月光菩薩の背面が拝観できる得難い展示、しかも東京でということで、大混雑を覚悟して行ったが、上野の人混みは予想を上回って、5月5日の貫禄を改めて見せつけられた。薬師寺展は45分待ちで入場。
聖観音菩薩立像、左右対象の安定感ある造形、裳裾の文様の美しさ、端正で品のあるまっすぐな仏さんである。両足に体重をかけて直立した聖観音に較べると、それぞれ片足に重心を移し、腰に軽いひねりを加えたポーズで立つ日光、月光菩薩像には余裕が感じられる。
リラックスしたポーズもだが、モデリングも伸びやかで肉付きが良く、全体に自由度の増した気配も窺える。背面は思いがけないボリュームの豊かさに驚いた。薄衣をまとった下半身、正面からは左右の脚に浅いドレープのような皺が美しく 刻まれている。背面に回ると、その薄衣は体側から尻にかけ左右対象できれいにプリーツされている。よくデザインされたシルエットの美しいコスチュームだ。優美で力強く清潔感とともに色っぽくもある薬師寺の日光月光像。時代を超えた着こなしの美しさでも輝いているようだ。