2007/09/10

デス・プルーフ in グラインドハウス

そうそう、昔はタイトルの色は赤か黄色で、画面いっぱいにバーンと大書されたもんだった。
プリプリしたヒップにピッタリ吸い付いたようなカメラ。廊下を抜けた若い娘がカメラを尻目に部屋のカウチに身を投げる。チープでエロでおバカだが呼吸のいい滑り出し。下に車が止まり、これまた娘が二人降り立つが、一人はおしっこ漏れそうと大慌てで股間を押さえながら階段を足早に駆け上る。それをカメラが執拗にしかも接写で追いかける。何だよこれ、と思う間も無く撮影タランティーノと黄色いクレジット。
タハッ!ったくもう凄いです。人間やりたいことをやりたい様にやるってことはそれだけで充分尊敬に値するが、それがこれだけお下劣なこととなると尊敬より感動だ。
しかも、お下劣を維持したまま面白さが盛り上がって行く。ダレるところはあるがテンションは落ちない。下らないけど目が離せない。下らなさを全的に肯定するカッコよさとも潔さとも、下らなさの純度が高く、しかも極めてシンプル。タランティーノの凄さがキルビルなどよりはるかに良く出ている。とても面白い。

エンドマークが抜群のタイミング。あっけに取られる可笑しさ。いや笑った。1時間20分なら最高だ。

日本とアメリカの違いはあるだろうが、アメリカの田舎町の観客と、まだアメリカが憧れの対象だった時代の日本の観客には共有できる部分もある。場末の2番館、3番館で見た3本立て。昔懐かしい60〜70年代の映画環境をプログラムごと再現したタランティーノの遊び心。
駒落ちや褪色、フィルムの傷など、いかにもそれらしい演出がアザとい程に効果的。巧いんだな本当見せ方が。ノスタルジーはオヤジの証拠とはいえ、懐古を新しい表現で見せる。オヤジの力技が楽しい。

そう、レティシアファンにはジョアンア・シムカスとシドニー・ポワティエの娘も見逃せない。

原題:Death Proof
監督・脚本:クエンティン・タランティーノ
製作総指揮:ボブ・ワインスタイン、ハーベイ・ワインスタイン
製作:エリザベス・アベラン、ロバート・ロドリゲス、エリカ・スタンバーグ、クエンティン・タランティーノ
撮影:クエンティン・タランティーノ
美術:スティーブ・ジョイナー
2007年アメリカ映画/1時間53分
配給:ブロードメディア・スタジオ