2006/06/04

無頼の掟 J・カルロス・ブレイク

「このミス」ベスト3。うん。いや面白い。
カルロス・ブレイク、格好良さにとことん拘ってるところが素晴らしい。当然ケレン味もたっぷりだが、修羅場は素っ気なく、日常風景を入念に描き込むという、スカしたスタイルから生まれるクールな魅力。

きちんとした教育を受け、能力も人並み以上ではあるが、人並みな人生に何の意味も手応えも感じられない「おれ」が、強盗、強奪を繰り返しながら成長して行く。それがリリカル!に描かれていて、ピカレスクな青春ロードノベルとして魅力的。

「おれ」の資質をいち早く認め、その道へと確かな導きをしてくれちゃうのが双子の叔父達というどうしょもなさ。このキャラクターの味付けが素敵だ。物語の進行には直接関係ない叔父達の減らず口の応酬は面白さのベースともなっている。全体は「俺たちに明日は無い」なのだが、やるかやられるかが基本で、善悪を価値基準として導入していない分軽快に読める。

ひたひたと迫ってくる伝説の鬼警官の描き方がスパイシーでカッコいい。女の絡ませ方もうまいし、アクションもしのぎもリアリさと迫力に不足無い。このミス3位に、何を今更てなもんだが、このセンス、このカッコよさには脱帽。