2007/04/08

バッテリー

主人公の少年は凄い球を投げる天才的ピッチャーだが、問題はそのボールを捕球できる者がいないことだった。孤高の天才。凡人は天才の孤独を理解できない。しかし、父親の転勤で移り住んだ田舎で出会った人なつこい笑顔のキャッチャーがその剛球を見事に受けた。

主人公の天才投手を演ずる林遣都という少年が凄くきれいな顔をしている。鋭角的でもろいキャラクター、セリフの少ない難しい役所だが表情の表出も自然で大層魅力的だった。相手のキャッチャーも、いかにも星飛雄馬と伴宙太のスタンダードなバッテリーのイメージに納まるそれらしい雰囲気。天才と凡人が野球を通してどう理解し合えるかということでは、お寺の息子を演じた少年が普通の感覚をよく表していて好感が持てた。

そもそも、少年の健気な姿にはめっぽう弱く、ついウルッと来てしまうので、この映画の病弱の弟と孤独な兄という、巧妙な仕掛けには、要所要所で押さえ込まれてしまった。「陰陽師」や「阿修羅城の瞳」はそのつまらなさにがっかりしたが、こういうこじんまりとした人情話は柄に合っているのだろう、まあ、これが中学生か、というようなキャラクター続出したりはあるが、中心を固めた少年達が実にいい感じなのが印象的。主人公のきれいな顔立ちのままに、すっきりとさわやかな後味の佳品。

監]滝田洋二郎
[原]あさのあつこ
[製]黒井和男
[脚]森下直
[出]林遣都 山田健太 鎗田晟裕 蓮佛美沙子 天海祐希 岸谷五朗 菅原文太 
[配給会社] 2007東宝
[上映時間] 119分