2007/04/22

ブラッド・ダイアモンド


90年代アフリカ。内紛が続くシエラレオネでは不当に採掘されたダイアモンドが反政府軍の兵器購入に充てられていた。盗掘された巨大ピンクダイヤを狙う男達。密輸業者と貧しい漁師が命をかけた争奪戦に飛び込んでゆく。

レオナルド・ディカプリオが複雑な過去を持つ密輸業者の屈折を好演すれば、ジャイモン・フンスーは子供を思う父親の心情を余すところなく演じ、両者アカデミー主演、助演にノミネートされたのも充分納得できる。

アフリカの赤い大地にハイテンションなレオナルド・ディカプリオが実にマッチしている。ジャイモン・フンスーとのコントラストもコンビネーションもナイス。この二人に、ダイヤ取引を牛耳るヨーロッパメジャーの腐敗を暴こうとする女性ジャーナリストを絡ませ、何より、この役をジェニファー・コネリーが魅力的に演じているため、作品もいっそう奥行きを増した。演出の力だ。

アフリカの現実は、極東の島国からはほとんど実感できない。こうしてアフリカを舞台にした作品に触れるくらいが関の山だが、それにしても、こうした作品から教えられることは少なくないし、アフリカに材を得た作品は昔から面白いものが多い。この「ブラッド・ダイアモンド」にしても、娯楽作品として文句なしの仕上がり。社会的な問題提起も、観客を十二分に楽しませる要素として物語の中に無理なくとけ込ませている点はお見事としか言いようが無い。

ま、無理なくというのは正確でなくて、反政府ゲリラが単なる犯罪者集団かサディストの集まりのように単純化されているのはいかにも惜しいのだが、内戦のアフリカと平和な日本がダイアモンドで直結してたなんてことも含めて、予告編から受けた印象とは全然違ったが、鮮やかな語り口の脚本と力感溢れる演出力で見せた緩急自在の2時間23分。全然長さを感じさせなかった。

監督:エドワード・ズウィック
脚本:チャールズ・レビット
撮影:エドゥアルド・セラ
音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード
出演:レオナルド・ディカプリオ、ジェニファー・コネリー、ジャイモン・フンスー、マイケル・シーン、アーノルド・ボスロー
2006年アメリカ映画/2時間23分
配給:ワーナー・ブラザース映画