自殺したアイドルの一周忌に集う5人の男。最高の理解者、最強のファンを自認する初対面同士のオフラインミーティング。しかし、楽しいはずの追悼集会にそれぞれの思惑が交錯し、やがて不穏な空気が流れはじめる。
ブレークせぬまま自殺したアイドルに入れあげた5人のオタク達の激突を、一幕ものの舞台を観るような白熱のドラマに仕立てた脚本が素晴らしい。人物の登場のさせ方は計算が行き届いているし、状況説明に合わせてお話を進めていく段取りにも無理がなく、こちらの気をそらさぬ工夫も効いている。
香川照之の姑息な表情が冴え渡る前半。腹下しを繰り返すルーティンのギャグが不発のまま失速するかと思った塚地があっと驚く正体とともに息を吹き返す後半。キャラ設定の意外性も飛躍とナンセンスな味付けに技があり、自殺の謎を解きあかそうする推理劇としてもよくできているし、上質なコメディーで気持ちよく笑わせてくれる演出も文句なし。
心が浄化されるような着地の気持ちよさもあり、評判の高さに納得がいったが、終わり方はもっと潔い方が好みだ。
監督 佐藤祐市
脚本 古沢良太
音楽 佐藤直紀