2008/03/10

国立劇場 3月歌舞伎鑑賞教室

「歌舞伎へのいざない」と題した鑑賞教室。前半は「鷺娘」のさわりなど織り込みながら歌舞伎の成り立ちや舞台裏を分かりやすく紹介した入門講座。短いなかにも趣向がこらされ、解説の澤村宗之助も良い感じで楽しかった。 後半は阿倍清明が狐から生まれたという伝説を哀切な子別れで見せる「芦屋道満大内鑑 」葛の葉。狐と人間の早変わりや、物の化ならではのテクニックで障子に書をしたためる曲書きなど、ケレン味たっぷりの舞台が期待できる。ってことで、仕事休んで真昼間の芝居見物。

2月の歌舞伎座で見たお軽が軽薄な感じで可愛かった中村芝雀が今度は愛情豊かな狐の母親になりきって、若干可愛いかと思うがほとんど貫禄たっぷり。狐と契った夫の安倍保名には中村種太郎という若手。とても一生懸命やっているのだが、芝雀の貫禄とはまるで釣り合わない軽量ぶり。全然夫婦になんて見えなくて全体のリアリティーも損なわれた。芝雀も、前半はともかく後半、狐の正体現してからの早変わりや曲書きの見せ場には、何かもの足りない感がつきまとう。華やかさなのか、物の怪の妖気か分からないが、サムシングがナッシングでαがマイナスのまま終演。あぁ「葛の葉」ってこんなもんなのか。面白くなかったぞ。うーん、若手の修練を見守るのも一興というような見功者にはなれそうも無いのだなぁ。

解説 ようこそ歌舞伎へ   澤村 宗之助
竹田出雲=作
芦屋道満大内鑑 −葛の葉−
第一場 安倍保名内機屋の場
第二場 同  奥座敷の場