2007/08/17

青山二郎の眼 展

世田谷美術館 2007年6月9日(土)8月19日(日)
http://www.setagayaartmuseum.or.jp/exhibition/exhibition.html

砧緑地。少しも涼しく感じられない緑陰の小径に蝉時雨。木立の奥には芝の緑に真昼の輝き。それはきれいだがとにかく暑い。
昔、たぬきはいても人はいないと言われた砧。少し下流の対岸には屋形舟が浮かび、蛍も飛んでいた。東名はまだ無く、246は弾丸道路と呼ばれていた。玉川に高島屋が出来るずっと前のこと、などとしばし懐旧の情にかられながら館内に。

前半は青山二郎セレクションによる中国、李朝の陶磁銘品の数々。さっきまでの暑さが別世界のように、青磁、白磁がつややかな肌を晒してすっきりと立っているのが印象的だ。それにしても、ギャラリーは年配のご婦人ばかリで男の姿が極端に少ない。

後半は青山二郎の骨董コレクションと装幀の仕事が通観できる。
小林秀雄と青山が畳の上に小物を並べて対峙している大きな写真が壁面を飾っている。要するにこういうことなのだな骨董ってのは。箱から出して掌に乗せ、ためつすがめつ愛玩するところがよろしいのだろう。失われた、あるいは積み重なった時間が自分の手に乗っている。それがくぐり抜けてきた時間に思いを馳せ、手の平で転がし、時に使ってみる。なんと贅沢な、ロマンティックなことではある。美術館のケースの中に凝縮された美を探すのとは自ずと別次元に属することでもあるのだろう。

山ほどのジャンクに囲まれ、骨董などにはおよそ縁のない生活者としてこの展示、参考にはならないが随分と勉強にはなった。