2006/05/21

「ミュンヘン」・「イーオン・フラックス」

「ミュンヘン」
素晴らしい。
緊迫感溢れたアクションスリラーであり、現代史の一断面を切り取ったドキュメントであり、優れた人間ドラマであるという充実した一編。ハッタンを遠望するラストシーンは、スピールバーグの苦渋に満ちた問いかけが結晶した名シーン。アカデミー作品賞取れなかったのは残念。
宇宙戦争とミュンヘンの2本を製作公開してしまう、この1年間のスピルバークは、まさに男盛りの脂の乗り切った仕事ぶりだ。

「イーオン・フラックス」
製作にMTVが一枚噛んでると思ったらMTVのアニメの映画化だそうだ。道理でマンガみたいなお話。シャーリーズ・セロンがブラックタイツでスパイダーマンみたいなアクションを見せてくれる。超管理社会の反逆者を描いたお話は特にどってことないが、ビジュアルとアクションは適度にSFで結構カッコいい。「トゥーム・レイダー」のアンジェリーナ・ジョリーのフェロモン過多に比べると、シャーリーズ・セロンはスマートで決めのポーズが美しい。アカデミー賞女優となってもサーヴィスショットを忘れないプロ意識もポイント高し。

「RIZE」
ロスで最も怖いエリア、サウス・セントラル。暴力と抗争が日常の若者たちから発生他したダンス・ムーブメント。超絶的グラインドで技を競い合うダンスバトルと共に紹介したドキュメント。何の予備知識も無く見始めたが、疲れの溜まった週末、ひと風呂浴びた後のレイトショー。直に眠くなって来た。ダンスというより痙攣と言いたいダンスシーンの迫力と、アメリカンドリームを熱く語る彼らの生活と意見はそれなりに興味深いが、睡魔も強烈。映画見ながら寝るのは気持ちがいいが、気がつけば、明るくなった客席には誰もいない。間抜けだ。こんなことは初めて。年取ったなぁ。

「スピリット」
ラバーズ、ヒーロー、プロミス、ときて今度は「スピリット」だと、中国映画に英語の題ってとっても気持ち悪い。配給会社も悪趣味が過ぎる。ましてや作品が優れていたらなおさらに。
という訳で、ジェット・リーの作品をそう沢山見ている訳ではないのだが、この作品のジェット・リーは今迄で一番カッコいい。香港映画のテイストを残しながら、見せ方作り方はきっちりと隙が無い。ジェット・リーが再生のきっかけをつかむ農村の美しい棚田の風景はこの作品一番の見所だろう。醜い日本人を演じる原田真人がラストサムライ以来の快演で中村獅童をきっちり引き立てるいい仕事ぶり。