2005/09/18

電車男

「エ ルメス」が良いのである。優雅で優しくイノセントなのである。電車男をコントロールし、正しい方向へ導いてくれるのである。それでいてそんなことはお くびにも出さないから、電車男だってそこんとこ気がつかない。「おまいら」の励ましを背に、勇気をふり絞って一歩一歩前に踏み出すのである。

「電 車男」の恋愛は、正当的というか、まともな手順を踏まえていて、結構普遍というかクラシカルなのである。山田孝之の電車男は、オタク風味にリアルさを欠き わざとらしいところが気にはなるが、嫌味が無いので救われる。「おまいら」も収まりの良い類型化で、匿名性の奥で行われたコミュニケーションの持つ力を描 き出している。

しかし、なんと言っても中谷美紀が良いのである。
今時は、もっと強く、勢いがあり、ひねりの効いたヒロイン が好まれる時代かと思ったが、この「エルメス」のまるで絵に描いた良家の子女振り。時代錯誤な中年男が想い描いたかと見間違えるようなヒロインを、中谷美 紀はファッションにヘアに、ふとした表情と何気ない仕草に、魅力をにじませながら、ヒロインに相応しい気品と計算とで演じている。じつに素晴らしいのであ る。

06月12日 17:43