2007/12/08

椿三十郎

オープニングの和太鼓が荘重な響き、というより仰々しいと感じてしまったところからヤバい感じはしていたのだが、始まってみれば織田裕二は、意外なことに思っていたほど悪くない。

黒沢の脚本をそのままに、キャラクター、絵作りまで模写しているので、場面ごとに脳内で再生されるオリジナルのイメージと見比べてしまうような感じになる。なるほどと納得させられながら気持ちがスクリーンに集中していけばよかったが、そうはならなかったのは若侍の集団に対する違和感。加山雄三の松山けんいちはともかく、田中邦衛のそっくりさんは目を剥いて口とんがらせて文句を言う表情がワンパターン。この劣化コピーに次第にイライラがつのって、演出のセンスへの不信が芽生えたら急に眠くなってしまった。
気がつけば最後の決闘が始まっている。エッ、何、どうしたの、普通は10分程度で目が覚めるのに、と戸惑いながら観た決闘はオリジナルとは違う趣向で、なかなか工夫されていた。リメイクというよりコピーという作りの中で、この殺陣は唯一の自己主張とみえた。ほとんど寝てたのによく言うよなのだが、やはり本家の緊迫感、迫力、寂寥感に及ばない。