
12日から平塚美術館で開催される村田朋泰展の「 展示作業公開ツアー 」に参加。午後2時集合。学芸員さんの案内で展示作業も大詰めの会場を回る。夢といっても仰ぎ見るような大き夢ばかりではない、しゃがんで見るようなささやかな夢もある、というタイトルは稲垣足穂の短編から取ったとのこと。
館内を全面的に改装し、とある温泉地に一泊旅行する男の道中を同時体験できるように構成された展示は、シュールでキッチュなテーマパークのような趣を呈している。静謐な叙情や喪失感の深さで、心に染みる映像表現が持ち味の作家本人も顔を見せてくれたが、今回の展示はそうした持ち味を一切封じ込め、俗でエロな展開が大理石の美術館を挑発している。最後は路シリーズの最新作「檸檬の路」を鑑賞。イマジネーションの新鮮さはいつもながらだが、読書室の群像を動かした技術が素晴らしい。
村田朋泰の世界はとても男臭いと思うのだが、ツアー参加の男は自分だけで、女性専用車両に紛れ込んだようだった。普段は見られぬ館内の様子は興味深く、全て出来上がった展示を見る楽しみが増えた。