2010/12/22

トロン・レガシー

コンピューター内での様々なプログラムの活動を視覚化した世界。前作から20年経過したトロン界のダークにしてシャープな造形美を最新の3Dデジタル技術が描き出す。かぶさる曲がまた絵にぴったり。音楽はダフト・パンクという有名なグループらしいが、実に雰囲気を盛り上げる。

電脳界に先住民族がいて、いまや絶滅危惧種となっているという凄い話は気になったが、お姉さん型プログラムの曲線やライトサイクルの光跡など、トロン界の美しさと3D感は見応え充分。これらビジュアルの新鮮さに比べ、お話の方は父子の絆と子の自立という、最新の電脳界問題とも思えぬ古典的というか見慣れたテーマで、これを一本線の流れで、豊富な刺激とテンポの良さで語っていく。分かりやすいし飽きずに観ることができる。ここらあたり、新しさを装いながらも万人向けファミリー映画の覇者ディズニー印として枠をはずさぬ品質管理がしっかりなされているようだ。そんなところにちょいと物足りなさを覚えつつ、でも視聴覚を快の刺激で満たしてくれるアトラクションムービーとして良く出来ており、imaxシアターに出かけた労に報いてくれる映像だった。