2007/07/08

しゃべれどもしゃべれども

無愛想な美人、クラスに馴染めない小学生、しゃべりが苦手な野球解説者とコミュニケーションに問題を抱えた3人の面倒を見ることになったのは、思う様に腕が上がらない二つ目の国分太一。この面々が落語を通してそれぞれの人間力を開花させていく同名小説の映画化。

師匠伊東四朗の火炎太鼓に惚れ直し、自分も火炎太鼓に挑戦する国分太一。火炎太鼓と言えば志ん生だが、だからといって、伊東四朗に志ん生のコピーさせることはないだろう。さらにそれを国分太一がコピーするような案配で、国分太一がブラザートムにとても似ていたのもあわせて、どうも落ち着かない気分にさせられた。

高座の時間経過をワイプで見せるのも落ち着きが悪かった。ワイプは、スターウォーズにしても、黒沢的な使い方で、お話変わってというような時間と場所を転換する場合に使われることが多い。そうしたリズムに慣れているから、今回のような、高座の一席をショートカットするような使われ方には、間の感覚が違いすぎて、生理的にも違和感が生じた。
そんなわけで、真面目に作られたハートウォーミングな物語なのだが、諸々自分には合わなかった。
最後に恋愛映画になったのも釈然としなかった。

監督 平山秀幸
原作 佐藤多佳子
脚本 奥寺佐渡子
音楽 安川午朗
出演 国分太一 、香里奈 、森永悠希 、松重豊 、八千草薫 、伊東四朗
時間 109分 2007年